プーリーの点検ついでにVベルトも交換
前回の記事でウェイトローラーを交換してから、軽快にストップアンドゴーができるシティコミューターとして復活したひよこ号です。
その後のプーリーやウェイトローラーの状態を知りたいのと、買い置きしておいたVベルトがあるので、点検ついでに交換してしまおうと、またまた、駆動側カバーを開きます。
プーリーとウェイトローラーの点検
プーリーに書かれた油性マジックのラインは、きれいに消えていますので、プーリーの外側まできれいに使えているようです。
ウェイトローラーの変形や割れもなかったので、グリスアップして戻しておきます。
ケース内にベルトの削れたカスが大量に積もっていますね、純正Vベルトも滑っているようです。
クラッチとVベルトの取外し
Vベルトの交換にはクラッチのアウターを外す必要があります。
クラッチアウターを外すのに供回りをおさえるための工具がユニバーサルホルダーです。
キタコ(KITACO) ユニバーサルホルダー 汎用 674-0500000
ユニバーサルホルダーと14mmのソケットレンチで、クラッチセンターナットを外します。
アウタークラッチは、3枚のギアを介してリアアスクル(車軸)へとつながっています。
インナークラッチは、Vベルトを介してプーリー(クランクシャフト)へつながっています。
インナークラッチとアウタークラッチが、クラッチシューを介して駆動を車軸へと伝えます。
センターナットが外れたらクラッチアウターを外します。
インナークラッチが見えてきました。
インナークラッチと一緒にVベルトを取外します。
Vベルトがしっかりとクラッチに落ちていますが、引っ張ればとれます。
インナークラッチ観察
ここで寄り道してインナークラッチを観察してみます。
クラッチシューが見えます。クラッチシューはスプリングによって内側に引っ張られています。
参考までにインナークラッチを分解したときの画像です。
プーリーからVベルトを介してつながっているインナークラッチは、回転が上がると遠心力でクラッチシューが外へ押し出されて、アウタークラッチとつながります。
クラッチのセンタースプリングも確認できます。
今回は、クラッチを触らないので、クラッチシューに割れやヒビがないかを確認しておきます。
Vベルトの交換
取外したVベルトの品番を確認すると「27601-32G20」となっていました。
UZ50DL2(2012年4月版)のパーツリストでは「27601-32G10」。
UZ50K5/K6(2005年11月版)のパーツリストでは「27601-32G00」。
となっていました。
新品標準値は18.6mm
使用限界は17.6mm です。
残念ながら、測り忘れてしまいました。
交換用のVベルトです。
GRONDEMENT(グロンドマン) 日本製ドライブVベルト レッツ4 レッツ5 アドレスV50
「対応純正品番:27601-32G00(10)」となっていますが、大丈夫でしょう。
ディトナの製品も評判が良さそうです。
新旧比較
上が新品、下が旧品
旧品(下)は減っていますね
インナークラッチに新しいVベルトをセットして戻します。
ここで、Vベルトをしっかりと引っ張って、クラッチに収めておかないとプーリー側が上手く掛かりません。
クラッチアウターを戻して、組み上げていきます。
クラッチアウターの締め付けトルクは39N・mです。
Vベルトが滑ってた?
実走してみました。
20km程慣らしてから、徐々にアクセルを入れていきます。
ん?
Vベルトを交換する前の機敏な反応が無くなって、マイルドな乗り味に変わっていて、なんか物足りない感じになっています。
最高速は明らかに上がったのですが、中低速のレスポンスは交換前の方が明らかによかったです。
もしかすると、純正のVベルトは滑っていたかもしれませんね。
加速時にVベルトが滑っていて、半クラッチを入れている状態になっていたようです。
5gのウェイトローラーの交換で、エンジン回転数が上がって滑りが顕著になって、それが中低速のレスポンスの良さにつながっていたようです。
減速から加速に移ったときのエンジンの回転音は、明らかに交換前の方が高かったです。
あの中低速のレスポンスは惜しいのですが、このまま無理をかけていれば、Vベルトが切れて走行不能になる可能性が高いので、このままいきます。
ウェイトローラーの重さを変えただけで、ほかの部品に掛かる負担が大きくなり、それが部品単価増に繋がり製品としては大きな価格差になってしまいますね。
ノーマルは全体としてのバランスをとった、バイクとなっているってことですね。
モデルチェンジ毎にウェイトローラーを重くして、エンジン回転数を低く抑えて、排ガス規制をクリアしてカタログ燃費の向上もしているようです。
但し、この低回転向けセッティングのせいで、オイルの乳化や過冷却等の不具合につながっているのではないかと推測されます。
メーカーもナカナカ苦労しているみたいですね。