ウェイトローラー交換(5.0gx6個)とドライブカバーの加工をしたら、良質のシティコミューターができあがった。

2018年5月9日

ひよこ号は加速がモタモタしていて、止まれや信号での停止が非常に苦痛をともないます。
原付きスクーターの役割シティコミューターとして、このセッティングはいかがなものかと思わせる加速です。
たった2.3馬力しか無かった先代のパッソルの方が、シティコミューターとしては優れているのは、どうゆうことなんでしょうね。
最近、最高速も伸びなくなってきたことですし、駆動系を見直すことにします。
まずは、駆動系をいじるために、カバーを外します。
駆動側カバーの取り外しについては、こちらを参考にしてください。

駆動側カバーの取外し
プーリーやVベルト・クラッチ等のメンテナンスに必要な、駆動側カバーの取外しです。 使用工具は、8mm・10mm・12mmのソケットレンチとプラスドライバーNo.…
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カバーが取り外せたら、ドラブフェイスをはずします。
ドライブフェイスを外す前に、Vベルトの上下を握ってクラッチにVベルトを落として、Vベルトのテンションを緩めておきます。
センターナットを緩めるのには、回り止めとして脱着レンチが必要となります。
私は、充電式インパクトドライバーを使うので、必要ありませんが・・・。
Suzuki系12角プーリー脱着レンチ32mm(アドレスV110等)TH326 1,947円

何故か持っています、使ったことはありませんが・・・。
一度使ったのですが上手く使えなくて、ついインパクトで「ガガガッ」とやっちゃいました。

インパクトドライバーは注意しないと、締め込む時にクランクをねじ切ったりしますので注意が必要です。
センターナットの締め付けトルクは50N・m(5.0kgf・m)です。
プーリー脱着レンチをロックナットにかけて、17mmのレンチでセンターナットを緩めます。
右から、ファン、ロックナット、ワッシャ、センターナットです。
パーツリストをいくら探しても、ロックナット、ワッシャ、センターナットの記述を見つけられませんでした。(謎)
ドライブフェイスを取り外すとプーリー(ムーバブル・ドライブ)が見えてきます。
Vベルトをクランク軸から外して、プーリー(ムーバブル・ドライブ)を手前に引き出します。
引き抜く際には、裏側のランププレートを押さえておかないと、ウェイトローラーがバラけます。
取付時も注意をしないと、トラブルの原因となりますよ。
正面からご対面。
裏側です、なんだか怪しげなカバーが付いています。
多分、付いていなくても問題ない部品だと思うのですが。
カバーを外すと、ランププレートにカバーの爪が当たった跡があります。
カバーの爪をペンチで曲げて、ランププレートの可動域を広げるか、カバー自体を取り外すか悩ましいです。
クランク回りはグラム単位での軽量化は、エンジン性能に直結しますからね。
ウェイトローラーもかなり偏摩耗して、フラットスポットが出来ています。
そりゃ、ランププレートの動きを制限していたら、ウェイトローラーが途中で止まってしまうので偏摩耗しますわな。
2,000km弱しか走っていないのに、この摩耗はダメですね。
ウェイトローラーの削れたカスがいっぱいです。
純正のウェイトローラーの重さは、12.29gx3個=36.87gみたいです。
年式によってウェイトローラーの重さが変わってきています。

※参照 純正ウエイトローラーサイズ一覧
’10~’12〈CA45A/46A〉UZ50L0/DL1~2 12.29g×3=36.87g
’08~’09〈CA45A〉UZ50K8/DK9/GK8 11.7g×3=35.1g
’05~’07〈CA41A〉UZ50K5~7/GK5~7 11.28g×3=33.84g

排ガス規制や燃費向上のため、ウェイトローラーの重さで鈍重な味付けにして、高回転まで回らないエンジンにされていますね。

今回は、5.0gx6個=30.0gに変更します。
メーカーは違いますけど、安っいやつです。
アルバ(ALBA) ウエイトローラー スズキ系 (17X12) 5.0g 6個入り 17×12-5.0G 810円


ウェイトローラーのセッティングデーターを取るためなので、高価なウェイトローラーはあえて使っていません。
セッティングが決まってから、品質の良いウェイトローラーに変更予定です。
ですので、100km位持ってくれればOKです。
今回は、5.5g・5.0g・4.5gの3種類を用意しました。
高価なウェイトローラーを3種類も4種類も用意していたら、懐がもちませんからね。

ウェイトローラーには、薄くグリスを塗っておきます。
ベタベタにならない程度に、薄ーく塗ります。
使うグリスは、ウレアグリスを使っています。
リチウム系グリスよりも、熱安定性・機械的安定性・寿命特性に優れるグリースです。
ホームセンターなどでも、手軽に手に入ります。

AZ(エーゼット) 袋入り ウレア グリース 80g C788 269円

ウェイトローラーを3個から6個にすることで、1個あたりの負担を減らすことも出来ますし、ウェイトローラーの精度が3個のものよりも劣るものでも許容できるはずです。
スライドピースにも薄くグリスを塗ります。
絶対塗り過ぎはダメですよ、高速回転してグリスが飛び散って、Vベルトに付着すると滑ってしまいますので。

ランププレートの動きを制限している、カバーを加工します。
外しても問題ないと思うのですが、なるべくノーマルに近い形でいきたいので、加工して使います。

カバーを外してしまえば、カバーとネジとプーリーのカバー取付部分を取り除けば、かなりの軽量化となるので、低速域のアクセルのツキは良くなると思われます。
そこまでやるのなら、「SP武川 ハイスピードプーリーキット レッツ4 02-01-7010」を入れて軽量ウェイトローラーでセッティングすれば、いつでもノーマルに戻せます。
いつ手に入らなくなるかわかりませんから、今のうちに手に入れておくのもありかも知れませんね。

SP武川の「Let’s4用ハイスピードプーリーキット」の対応車種にはUZ50DL2は入っていませんが、UZ50K6(CA41A-153977〜)が対応車種に入っています。
パーツリストによると、UZ50K5のプーリー(ムーバブルドライブ・フェイス)は品番21120-43E03なのですが、UZ50K6以降は品番21120-32G00となり純正では共通品なので、多分使えると思っています。(あくまで自己責任でお願いします。)
ただ、このプーリーキットのウェイトローラーが、ホンダサイズの5gx3個/8gx3個の計39gとかなり重めのセッティングなので、ウェイトローラーの変更は必要だと思います。
ハイスピードプーリーを使っても、純正のドライブフェイスを使うのであれば、多分外径は大きく変わらないので、純正のプーリーを使い切れればトップエンドスピードは変わらないはずなので、軽量化によるアクセルワークのツキが良くなる以外はあまり変わらないと思われます。

※メーカー別ウェイトローラーサイズ (直径x長さ:単位mm)
ホンダ:16×13
ヤマハ:15×12
スズキ:17×12(一部車種:16×12)
レッツ4は17mmx12mmです。

カバーを加工する場合の問題点は、ランププレートとスライドピースを押さえる部分です。
緑丸がランププレートを押さえる爪です。
この爪をペンチで上向きに曲げてみたのですが、プーリーボスが引っ込みきる前に、赤丸部分がスライドピースに当たります。


カバーの取付部分にM4のステンレスワッシャーを、2枚追加してカバーを持ち上げることにしました。
これで、プーリーボスの可動域が広がりました。
ワッシャを3枚にすると、プーリーとツライチになるまで、ボスが可動します。
しかし悲劇が・・・。
ワッシャを3枚にすると、クランクケースにヒットしてしまいました・・・。(泣)
カバーの爪とボルト頭がヒットしたようです。
裏側は、かなりクリアランスが小さそうですね。
カバーを外すのは危険かもしれません。
今回使ったワッシャの厚みは、約1.8mmでした。
つまりワッシャ2枚のときの裏側のクリアランスは、1.8mm以下とかなりシビアになっていますね。
カバーの爪の曲げ角度も注意しないと、爪がクランクケースにヒットする可能性もあります。


☆追記)
なんだかんだとやりましたが、強化クラッチスプリングをインストールしたときに、結局このカバーは取り外してしまいました。
今のところは、問題なく走れていますが、試されるときは自己責任で。

強化クラッチスプリングを入れたら、激坂を登らなければ、これでいいやと思えるシティコミューターの出来上がり。
Vベルトが滑っていたときの、元気なレッツ4に近づけようと、購入した「強化クラッチスプリング」をインストールしてみました。 http://lets4.coiio.…
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プーリーが使い切れているかの確認のために、油性マジックでラインを入れておきます。
Vベルトがプーリーの面を通るとラインが消えるので、このラインが全部消えていれば、プーリーが使い切れているということです。
取外したときの逆の手順で、組み込んでいきます。
キックスターターギアまで組み上げたら、試運転しましょうね。
危険なので、必ず駆動側の反対側(マフラー側)に立って、エンジンを掛けます。
締め付け不良等で、部品が飛んでくることもあるので、必ず駆動側に人や壊れて困るものがないようにしてください。
異音があれば、直ぐにエンジンを止めしょうね。
カバーを付けてからだと、異音も分かりづらいですし、何かあったときのダメージが大きいですから。
カバーを付ける前に、キックアームを取り付けて、キックが正常に機能するかの確認も忘れないでください。

交換用Vベルトは用意してあったのですが、現在Vベルトの幅は18.3mmでしたので、使用限界まではもう少し使えるので、今回はそのままで組み上げました。

20km/hからの加速は充分過ぎるほどの加速をします。
20km程慣らしてから、アクセルを開けてみました。

全然違います。
止まれも信号も積極的に止まれます。
0発進がかなり良くなっています。
今まではアクセルワークなんて、ONとOFFしか使えないほど加速が悪かったのですが、ハーフスロットルも使えるようになりました。
全体的に使用回転数も上がっていますが、加速とアクセルのツキが良くなったので、以前よりアクセル全開時間が短くなっています。
コーナーもアクセルを残したまま入らないと、加速で失速してバランスを崩すこともしばしばあったのですが、自然なアクセルワークでコーナリングができるようになりました。
最高速もメーター最大目盛りを越えています。
下り坂などで、エンジンが吹けきってしまったような現象も無くなって、エンジンの回転数に忠実に速度が付いてきます。
アクセルを開ければその分きっちりと反応してくれます。

シティコミューターとしては、満点ではないでしょうか。
取り敢えず満足満足。