強化クラッチスプリング
Vベルトが滑っていたときの元気な(?表現的におかしいですね)レッツ4に近づけようと、購入した「強化クラッチスプリング」をインストールしてみました。
クラッチの取外し
クラッチの取り外しまでは、以下の記事を参考にしてください。
インナークラッチの分解
インナークラッチを取り出せたら、分解していきます。
クラッチを取り外したら、インナークラッチのセンターナットを取り外します。
センターナットについている、マーキングは再組立時の目安とします。
クラッチにはセンタースプリングが押し縮められているので、注意してゆるめないと、「黒ひげ危機一髪」のように突然クラッチが飛び出します。
私は、木工用のクランプを使いましたが、あまりうまく行きませんでした。
センターナットを外して、ドキドキしながら、クランプを緩めていきます。
その後は、皆さんの予想通り、「ばぃーん」とクラッチが飛び上がり、カンカラカンカンカンとアスファルトにクラッチが転げました。
足で押さえてナットを緩めるとか、いろいろな方法が紹介されていましたが、今回の方法はあまりお勧めできません。
ここは、素直に「クラッチスプリングコンプレッションツール」を使ったほうが安全です。
(STRAIGHT/ストレート) クラッチスプリングコンプレッションツール φ125mm 19-540
センタースプリングは、ナットゆるめると、こんな感じです。
なかなか強力なので、部品が顔面を直撃すると、痛いだけで済めば良い方ですね。
この時点で、もとに戻せる気がしなくて、かなり不安と後悔にさいなまれています。
クラッチスプリングの交換
クラッチスプリングと、やっとの事での対面です。
何故か、スプリングのうち2本だけが、黄色く塗られていました。
ここから、スプリングを取り外すのに、四苦八苦しました。
心の中では、半泣きでした。
こんな時は、作業をやめます。
一服して、冷静になってから、再挑戦します。
煮詰まった状態で、力任せにしたり無理矢理やると、大抵あとで後悔することになります。
すべて放り出して、お茶でも飲みながら、Google先生に「クラッチスプリング 交換」と打ち込みますと、先人たちの知恵が出てきました。
やっぱり、餅は餅屋ですね、クラッチスプリング交換ごときで、半泣きになっているようでは、まだまだですね。
先人の知恵をお借りして、マイナスドライバーを使って、無事取り外しできました。
スプリングを、伸ばしてなんとかしようと考えても、だめでしたね。
知恵のある人は、小学校の時に習った、「テコの原理」を利用しておられました。
取り外した、クラッチスプリングと強化クラッチスプリングを、比べてみました。
上が、強化クラッチスプリングです。
強化クラッチスプリングのほうが純正品よりも巻数は少ないですが、スプリングが太くて短いですね。
強化クラッチスプリングの取り付けも、ドライバーセットに入っている、キリを使って無事取り付けることができました。
もう両手をフルに使っていたので、画像がとれていません。
こんな小さくて強力なもの、先人たちの知恵がなければ、取り付けることは無理でした。
苦労しながら、センターナットを元に戻します。
片手で、クラッチを押し込んで、もう片方の手でナットをかけます。
2周程ナットがかかったら、木工用クランプで締め付けて、スプリングを圧縮します。
レンチで、マーキングの位置まで締め込めば出来上がり。
文章で書けば簡単ですが、なぜ人間は手が2本なのか、きっと進化した人類は、4本手があると信じさせられる程苦労しました。
セッティング
ウェイトローラーは、現状の「5.0g x 3 + 4.5g x 3 = 28.5g」と「5.0g x 6 = 30g」を試しました。
結果は、「5.0g x 3 + 4.5g x 3 = 28.5g」の方が、わたしのフィーリングに合っています。
加速感とか最高速は、殆ど変わりません。
しかし、28.5gのセットのほうが、常用回転数が500~1,000回転(あくまでも体感です。)ほど、高いのでコーナリングやエンジンブレーキのききが、非常に自然で即応性の良い味付けになります。
30gのセットにすると、かなりマイルドになります。(ノーマルの状態よりは、かなりマシです。)
28.5gのセットは、各部に負担がかかるセッティングなので、メンテナンス間隔を長くしたい方にはお勧めできません。
常用回転数も高いので、ウェイトローラーの減りも早いですし、オイルの汚れも早くなります。
当然Vベルトや、プーリ・クラッチへの負担も大きくなります。
まとめ
強化クラッチスプリング交換してみると、ウェイトローラーのセッティングともマッチングしていて、コーナリング中にトラクションを加えることもできるようになりました。
予想していたとおり、発進よりも中速域でのレスポンスが良くなりました。
ここまで、駆動系をいろいろと触ってみて感じたのは、最高速や出力を上げることはできないが、自分の走り方や目的にあった『性格付け』をすることが、駆動系チューンの目的のような気がします。
ここまで、駆動系を触ってきましたが、最高速はノーマルとほとんど変わりません。
たとえ最高速が、60km/hが65km/になっても、10%未満のアップでしかありません。
並走する自動車からみれば、それは誤差の範囲くらいの違いでしかありません。
レースをするために、最後の1km/hを絞り出すのなら別ですが、あくまでも危険を回避するためのセットアップでは、必要ないことだしそのために失う利便性も考えなくてはなりません。
ここで紹介したセットアップを試しても、走行する環境が違えば同じ感覚になることはないと思います。
例えば、坂道の多い場所などでは、遅くなることもありえます。
しかし、平地でのストップアンドゴーは、かなりの余裕が出てきます。
「止まれ」できっちり止まって、安全確認してからスタートしても、ストレスなく走り出すからです。
再スタートがもたつくと、どうしてもゼロ発進を避けたくなります。
そうすると、安全確認がおろそかになったり、一瞬の判断を誤ったりの原因につながります。
余裕のあるバイクは、運転者に余裕をもたらしてくれるはずです。
プーリー裏のカバーを取外しました
何度もウェイトローラーのセッティングをしていると、プーリー裏のカバーの取り外しが面倒になってきたので、結局取り外してしまいました。
今の所何も問題は出ていません。
部品の重さが無くなった分、若干エンジンレスポンスが上がったように感じます。
ケースとプーリーのクリアランスが少ないので、プーリーからVベルトが外れることはないと思うのですが、セルモーターのワンウェイギアと干渉する可能性もあると思うので、今後注意してみます。